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kaigo2026-04-02

介護休業給付金の申請手続き完全ガイド

介護休業給付金の申請手続きについて、厚労省公式手引書に基づいて分かりやすく解説します。必要書類、手続きの流れ、注意点をまとめました。

目次

取得した手引書データをもとに記事を作成します。


介護休業給付金の申請手続き完全ガイド|人事・総務担当者向け

家族の介護を理由に従業員が休業を取得した場合、一定の要件を満たすと「介護休業給付金」が支給されます。この給付金は雇用保険制度の一環であり、申請窓口はハローワーク、手続きの主体は原則として**事業主(会社)**です。本記事では、厚生労働省・ハローワークの手引書に基づき、人事・総務担当者が押さえておくべき受給要件から申請の流れまでを解説します。


介護休業給付金とは

介護休業給付金とは、配偶者・父母・子などの対象家族を介護するために介護休業(職場復帰を前提とした休業)を取得した雇用保険被保険者に対して、一定の要件を満たした場合にハローワークへの支給申請により支給される給付金です。

平成29年1月1日以降に新たに取得する介護休業については、同一の対象家族につき93日を限度に3回まで分割取得が可能となっています。また、65歳以上の高年齢被保険者も支給対象です。


受給要件

対象となる従業員(被保険者要件)

以下のすべてを満たす必要があります。

  1. 雇用保険の被保険者(一般被保険者または高年齢被保険者)であること
  2. 介護休業開始日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が通算12か月以上あること
    • ※ 令和2年8月1日以降に介護休業を開始した方は、11日以上の月が12か月未満の場合でも、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として算定できます
  3. 介護休業終了後に離職が予定されていないこと(休業取得時に退職が確定・予定している場合は対象外)

期間雇用者(有期契約社員)の追加要件: 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約(更新後も含む)が満了することが明らかでないこと。

対象となる家族の範囲

次の家族が「対象家族」に含まれます。

  • 配偶者(事実上の婚姻関係と同様の状況にある者を含む)
  • 父母・子(養父母・養子を含む)
  • 配偶者の父母(養父母を含む)
  • 祖父母・兄弟姉妹・孫

なお、平成29年1月以降の改正により、同居・扶養していない祖父母・兄弟姉妹・孫も対象に含まれるようになりました。

介護が必要な状態の要件

対象家族が「負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行・排泄・食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態」にあることが必要です。


支給額の計算方法

支給額は支給単位期間(介護休業開始日から1か月ごとに区切った期間)ごとに計算されます。

休業中に賃金が支払われていない場合

支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

計算例: 賃金日額7,000円、支給日数30日の場合 → 7,000円 × 30日 × 67% = 140,700円

休業中に事業主から賃金が支払われている場合

支給期間中に支払われた賃金と給付金の合計が、休業開始時賃金月額の80%を超える場合は減額80%以上になる場合は不支給となります。

計算例: 賃金月額21万円(日額7,000円)、支給期間中に15万円が支払われた場合 → 上限額(80%)= 7,000円 × 30日 × 80% = 168,000円 → 支給額 = 168,000円 − 150,000円 = 18,000円

支給上限額・下限額(令和7年8月1日現在)

| 区分 | 金額 | |------|------| | 1支給対象期間あたりの上限額 | 356,574円 | | 賃金月額の上限 | 532,200円 | | 賃金月額の下限 | 90,420円(令和8年7月31日まで) |

※ 支給限度額および最低限度額は毎年8月1日に変更される場合があります。


申請手続きの流れ

ステップ1:介護休業申出書の受領

従業員から介護休業申出書を受領します。休業開始予定日の2週間前までに提出されるのが原則です。申出書には休業期間・対象家族の状況等を記載してもらいます。

ステップ2:必要書類の準備

申請に必要な書類は以下の2種類です(添付書類とあわせてハローワークに提出)。

| 書類名 | 提出者 | |--------|--------| | 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(介護) | 事業主 | | 介護休業給付金支給申請書 | 原則:事業主(困難な場合は被保険者本人も可) |

添付書類(持参するもの):

  • 賃金台帳・出勤簿(タイムカード)・労働者名簿・雇用契約書など
  • 本人が提出した介護休業申出書
  • 介護対象家族の氏名・性別・生年月日・続柄が確認できる書類の写し(住民記載事項証明書など)
  • 休業開始日・終了日・休業日数の実績がわかる書類
  • 介護休業期間中に支払われた賃金がわかる書類

マイナンバーの記載が必要です。 被保険者と介護対象家族が同一世帯かつ両者のマイナンバーを届け出た場合は、続柄確認書類の提出を省略できます。

ステップ3:ハローワークへの提出

提出先: 事業所の所在地を管轄するハローワーク

「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は、支給申請書の提出日までが提出期限ですが、事業主経由の場合は支給申請書と同時提出が可能です。

電子申請による提出も可能です。

ステップ4:申請期限の確認

支給申請書の提出期限: 各介護休業の終了日(介護休業期間が3か月以上にわたるときは介護休業開始日から3か月を経過した日)の翌日から起算して、2か月を経過する日の属する月の末日まで

例: 介護休業終了日が7月25日の場合 → 翌日7月26日から2か月を経過する日(9月26日)の属する月の末日 → 申請期限は9月30日

ステップ5:支給決定と振り込み

支給決定後、約1週間後に被保険者本人の指定口座へ振り込まれます。結果は「支給決定通知書」または「不支給決定通知書」で通知されます。

なお、支給申請書の下部には「払渡希望金融機関指定届」が付いており、マイナポータルに公金受取口座を登録している場合はその口座を指定することも可能です。


注意事項

  • 離職が確定している場合は支給対象外です。あくまで職場復帰を前提とした休業が要件となります。
  • 産前・産後休業中は介護休業を開始できません。 また、介護休業中に他の休業(産前休業など)が開始された場合は、新たな休業開始日の前日をもって介護休業が終了し、以降の期間は支給対象外となります。
  • 高年齢雇用継続給付を受けている月は、介護休業給付と同時受給はできません。
  • 同一の対象家族について、過去の介護休業の取得回数・日数の累計が93日・3回に達している場合は新たな支給申請はできません。
  • 支給上限額は毎年8月1日に改定されるため、申請時点の最新額を必ずハローワークまたは厚生労働省のウェブサイトで確認してください。
  • 本記事の内容は手引書(令和7年度版)に基づいています。法改正により要件・給付額が変更される場合があります。

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